キャラクターを背景に馴染ませる方法
手順
1.マスクを作ってキャラと背景を分ける
線画レイヤーの下にレイヤーを作り、キャラクターの範囲のみ塗り潰す

2.環境光で塗りつぶす
その上にレイヤーを作成し、背景の暗さをイメージした明度のグレーで
全体を塗りつぶす。

3.乗算でキャラを彩色
その上にキャラクターの各パーツごとのレイヤーを作り
レイヤーモード「乗算」にして下地の色を彩色する。
その際、背景の明度のイメージをできるだけ保つようする。

4.「覆い焼きリニア」でライティングを施す
Photoshopならレイヤーモード「覆い焼きリニア」、SAIなら「発光」
でそれぞれ光になる部分を塗る。基本的に下の色が合成されるので白でも色味が付くが
光自体の色味を追加してもよい(太陽なら若干黄色を入れるなど)

5.背景を描画
グレースケールのイメージで背景を描き込む
またはあらかじめ描いておいたものを読み込む
(背景を読み込む際にはグレースケールの上にレイヤーモード「乗算」で
合成すると、そのイメージに近い明度になる)
6.マスク部分を環境光で塗りつぶす
作っておいたキャラクターマスクのレイヤーをCtrl+クリックすることで
選択範囲を呼び出し、馴染ませたい色を背景からスポイトしてマスクを塗りつぶす

7.撮影処理をする
ディフュージョンフィルタやグロー効果などを使い
キャラクターがその世界にいるかのように演出する

最終的なレイヤー構成は以下の通り

ポイント
◯キャラクター全体の明度や色味=キャラクターマスク
背景色をスポイトして塗りつぶしたキャラクターマスクが環境光の役割をしている。
これを調節することで、キャラ全体の明るさや色味を調整することができる。
◯キャラクターに当たる光の明度や色味=ライティング
ライティングレイヤーを調整することで、キャラに当たる光の明るさや
色味を調整することができる。キャラクターマスクの影響を受けるので
無理に色を付けなくてもOK
考察
前々回で、イラストによく使われるレイヤーモードについてご紹介しましたが
この方法ではレイヤーモード「乗算」と「覆い焼きリニア」を使うことで
3Dレンダリングのような塗りを実現しています。
乗算について
「乗算」モードでキャラクターの下地を彩色するため、環境光以上の
明度になることを抑え、かつ環境光の色味を合成できるようになっています。
覆い焼きについて
ライティングを「覆い焼きリニア」で行うことで、わざわざパーツごとに
色を変えることなく単色のみで彩色ができ、さらに環境光の色味も合成されます。
反射光も簡単に表現可能
アニメ塗りのため、ディフュージョン・フィルタや、グロー効果と相性が良く、
影の部分に反射光を表現したり、光の演出を取り入れることができます。
レイヤー数が少ない
「乗算」と「覆い焼き」を使っているためレイヤー数も自然と少なくなり、
後から調整もしやすくなります。
以上のようにメリットが多く、非常におもしろい彩色方法です。
背景とキャラクターの統一感を出すための参考になるという意味でも
ぜひ一度試してみるとよいでしょう。
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- 著者プロフィール
-
ふぉくすけ
お絵描き・小説・ゲーム制作など
創作活動が大好きな元SE。
グラフィッカーになる夢を諦め一般企業に
就職するも、多くの理不尽を当然のように
受け入れながら働く「雇われる生き方」
そのものに強い違和感を持つ。
会社員として働きながら生き方の模索を続け、
Web媒体の収入が月給を上回ったため独立。
現在は、お絵描きをはじめとする、
創作活動で食べていきたい人に向けた
情報発信をメインに活動中。
現在キャンペーン期間中にて
お絵描きで自由を手に入れるための特別講座
を無料配布中
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