漫画アシスタントの背景を描く手順まとめ

プロの現場ではどんな手順で背景を描いていくのか
途中でどんな工夫をしているのか
初めて背景に挑戦する人でも
そういったことを事前に知っておくだけで
悩む時間は大きく短縮されるはずです。
今回ご紹介するイヅルさんの「背景を描く手順」では
漫画アシスタントさんがプロの現場でやっている方法の
一つを見ることができます。
(以下手順まとめ)
手順まとめ
1.アイラインを引く
カメラの目線の高さとなるアイラインを引く
2.ラフを描く
そこまで描きこまず、物の配置や大きさが分かる程度でOK

2.1.ラフに人物を置く
背景に合わせて人物を置く
3.パース線を引く
ラフから消失点を割り出し、パース線を引く
線の密度は自由

3.1.人物にあわせて背景を調整
割り出したパースと人物の大きさを元に
今度は背景の方を人物を基準に調整する

4.下書きを描く
必要であれば下書きを描いてクリンナップする
(例では飛ばして主線に行っています)
5.主線を引く
下書きを元に、まず大まかなアウトラインを描く

5.1.ベタを入れる
入れられるところはベタを入れてしまう
(細かく描き込むよりもできるだけベタを
駆使した方が存在感が出せるそうです)

5.2.細かい部分の線を引く
画面手前は「線を太く」、画面奥は「線を細く」
するように描くと遠近感を演出できる

5.3.『汚し』を入れる
壁の欠けた感じや、アスファルトの地面の質感など
質感の描き込みをしていく

6.色と影でトーンを張る
主に色の付いた部分、影の部分でトーンを張る
例では主な影は全て黒べたにし、トーン処理は色の付いた部分と
グラデーションのように付ける影に対して行っている

7.仕上げのホワイトを入れる
角になっている部分やツヤを出したい部分などに
ホワイトを入れ、「光」の演出を加える

8.トーンを重ね張りする
必要に応じてトーンを重ねて雰囲気を演出する
(例では手前の背景全体にトーンをかけ
手前側が影に見えるような演出をしています。)

ベタの重要性について
まとめは以上ですが、手順5.1.の
「細かく描き込むよりもできるだけベタを駆使した方が存在感が出せる」
という記述について何故だろうと思った人もいるのではないでしょうか?
このベタの重要性については「ブラック・ジャックによろしく」でも有名な
漫画家・佐藤秀峰先生のアシスタント試験でも分かりやすく言及されています。
昨日まで、新作画スタッフの面接と実技試験(?)を行なってたんですよ。
どんなことをするかちょっとお見せしようかな? ...
この記事では実際の提出された4つの背景について
非常に的確な指摘が書かれており、
完成形から逆算して、全体のバランス見ながら描き込んでいくという、
決められた時間内に描くための意識や考え方ができるような内容となっています。
言葉一つ一つがよく刺さってくる素晴らしい解説ですので
こちらも是非参照してみて下さい。
2017/4追記
上記リンク先の4人の絵はブラウザによってはリンク切れのように見えますが
ジャンプ先で真っ白な画面を右クリックからダウンロードして確認できます。
おすすめ関連記事:
- 著者プロフィール
-
ふぉくすけ
お絵描き・小説・ゲーム制作など
創作活動が大好きな元SE。
グラフィッカーになる夢を諦め一般企業に
就職するも、多くの理不尽を当然のように
受け入れながら働く「雇われる生き方」
そのものに強い違和感を持つ。
会社員として働きながら生き方の模索を続け、
Web媒体の収入が月給を上回ったため独立。
現在は、お絵描きをはじめとする、
創作活動で食べていきたい人に向けた
情報発信をメインに活動中。
現在キャンペーン期間中にて
お絵描きで自由を手に入れるための特別講座
を無料配布中
この記事へのコメント:
サイ
参考にさせていただきます
ふぉくすけ
> 参考にさせていただきます
コメントありがとうございます^^
お役に立てたようでよかったです!
参考にしていただいて恐縮です((((;゚Д゚))))