短期間でお絵描きスキルを上げられる人の特徴とは?

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今回は短期間でもお絵描きスキルを上げられる人について
僕のある体験を元に書いていこうと思います。


あくまで僕自身の主観と経験を中心にした持論のようなものなので
一般的な話ではない可能性が高いです。


素人の書いたエッセイ調の文体にイラッときたり、
とりあえず結論だけ知りたいという方は
後半の方だけ読んでいただければと思います。


それでは初めていきます。




一つのことに極めて突出している人というのは
他のことをやらせてもやはり優秀な人が多いです。



小学校の頃、テストでいつも一位を取っていた
Mくんというクラスメイトがいたんですが


彼は授業で行うサッカーやバスケでもエース級の活躍していて
全校集会で水泳大会の表彰台にもよく立っていました。


僕の持っているゲームで彼と遊んだ時も
ハマり始めてからの彼はすごい勢いで成長します。


気付くとあっという間に僕と同じくらいの実力に成長していて
数日後にはどんなゲームも彼が勝つのが当たり前なくらい逆転されていました。


当時はそんな時によく、「やっぱりあいつは天才だからな」
と特別扱いすることで、逆転された自分への言い訳にしていました。



しかし、大学、会社、その後の人生でも、
どこへ行ってもやはりこのタイプの突出した人はいました。




彼らは決まって、ハマり始めるとあっという間に成長する人で、


そういった一面を見るたびに周りの人も、
やはり彼は天才だからな、センスがあるからなと口々につぶやきます。


そんな光景を何度も見るうちに、
僕は一つの疑問を感じるようになりました。





それは、本当に生まれつきの才能で、
彼らは全員特別なのだろうか?







僕の人生で最もそう感じたのは、
大学でのゲーム制作サークルでの出来事です。


大学で出会ったR君は、
やはり周りから「天才」ともてはやされる一人でした。


飛び級で入学した彼は、
僕の一つ下なのに、僕と同級生でした。


彼は、僕と同じゲーム制作とプログラミングコンテスト
両方のサークルに所属しており、

プログラミングをさせたら右に出るものはいないほどの実力でした。


部活が一緒だったこともあり、何度か顔を合わせているうちに
家に呼んでもらえるほど仲良くなったのですが

そんな彼を間近で見ていると、
その自由な生き方にとても驚かされました。



彼の一日はその日の気分で大きく変わります。



ゲーム制作のサークルに終日いる日もあれば


一日中家に引きこもって
プログラミングコンテストの問題を解いていたり


ハマったゲームがあれば友人と明け方までそのゲームをしていたり


好きなゲームの発売日には学校を休んで一日それだけやっていたりと



授業への参加など二の次です。



彼は、僕からすると常識を疑うレベルで自由でした。



その日の気分で思い立った時に行動を起こす彼は
定期的なマイブームを持っており、

そのたびに周囲にも大きく影響を巻き起こしました。


彼が「結果を出すにはコンディション管理こそ大切だ」と思い立った時には


プログラミングコンテスト前のような勝負したい日の
一週間前から徹底的に生活習慣を正しはじめました。


栄養バランスのとれたおかゆを自作して
朝昼晩と毎食そのおかゆにするくらいの徹底ぶりでした。


彼の中でパンダブームが来た時には
部活でなにかとパンダがかわいいと布教していました。


学祭用に多種多様なパンダのゲームを作ってみたりと
一度ハマりはじめると、本当に徹底的に行動するので

見ているこっちが思わず
自分もやってみたいと感じてしまうほどでした。


実際彼のブームに合わせて、周りの部員もよく話題にしたり、
一緒になって楽しく盛り上がっていました。




そんなある時、彼にお絵描きが楽しい
というブームが来ました。





僕自身、部活で2年間本気でグラフィッカーをしてきた自負もあり
彼にそんなブームが来たことを知った時は正直


お絵描きの経験がほとんど無い彼が、
勢いに任せて始めたらどれほどになるのだろうという期待と、


自分はこれだけの時間をお絵描きに費やして来たのに、
さらっと抜かされたらなんとなく嫌だな
という不安が混じった複雑な気持ちでした。



彼がその絵を書き上げてきたのは
それからなんと、たった3日後のことでした。



授業が終わって部室に顔を出すと、
珍しく部内がどよめいています。


「おい、見てみろよ。これ、Rが描いたんだって」


僕が部室に入るなり、
部内のグラフィッカーの中でも断トツで絵が上手な先輩が
僕にパソコンの画面を見せてきました。


その時の先輩の、なんともいえない、複雑な表情と口調の意味を
僕もすぐに知ることになります。




すごい...!
ひと目見ただけで雰囲気がよく伝わってくる



彼の絵を見た瞬間、僕はまるで
頭から水をかけられたかのような衝撃を受けました。



3日ほど練習してはじめて描いたという彼の絵は
他の役職だけでなく、部内のグラフィッカー全員を
驚かせるには充分な出来栄えで、


およそはじめて描いたとは思えない、
パジャマを着た可愛らしい女の子の絵を

僕たちはしばらく惹きつけられるように
まじまじと見ていました。


大勢いるグラフィッカー部員の絵の中に飾ったとしても
決して見劣りすることのないくらい、むしろ、表現したい事が
はっきりと伝わってくる、見ていて本当に気持ちのよい絵でした。



その衝撃に、思わず食い入るように見入ってしまった僕の横で彼は
「少し大胆なくらい体をくねらせると見栄えが良くなって...」などと


この絵を描いていた時の自分なりの気付きを
仲の良い部員達に嬉しそうに語っていました。



その後、彼がお絵描きを続けたのかと言えば、
この日を境にあっさりと彼の中のブームは去り

それ以降お絵描きをすることもなく、あっという間に
いつものプログラミングがメインの彼に戻っていました。


しかし、この時ほど彼に対して悔しく思い、
また尊敬した瞬間はありませんでした。


絵は経験じゃないよと、目の前で証明された気がしました。


今でもこの時の、
自分の積み重ねてきたものを真っ向から覆された悔しさと、
それを身をもって証明してみせた友人への尊敬が入り混じった
複雑な気持ちは鮮明に覚えています。


周りのグラフィッカー部員は「すげえなあ」「まあRだからな」と
少し悔しそうに、諦めの混じった反応を見せていましたが


この時ばかりは、僕はいつものように
「特別だからな」で片付ける気にはなれませんでした。


それを「特別だからな」で済ませるということは
大学に入ってからの2年間、本気でお絵描きを続けてきた経験を
僕自身で否定するようなものでした。


確かに一つのことが突出してできる人というのは
他のことでも驚くほどすぐに結果を出すことができます。


しかし、それは果たして彼らが全てにおいて
天性の才能を持っているからでしょうか?


こんな短期間で、それもはじめて描いた絵で
誰もが凄さを認める絵を描いてみせたのです。


そこには小手先のテクニックだけではない理由が
絶対にあるはずです。


それから数年間、
何度も僕はその時のことがフラッシュバックしました。

そして、そのたびに彼はなぜあんな短期間で
人の心を惹きつける絵が描けたのかを自分に問いかけ続けました。




彼は、人を驚かせることがとても好きでした。


自分の作ったもの、起こした行動で僕や周囲が驚いた時ほど、
彼はこれ以上無いくらい満足そうな表情を見せていました。


「やるからには、誰かをあっと驚かせたい」


何をやるにしても、
彼の行動の中心にはこれがありました。



作品に感動する人は、ただ感動しているわけではなく
その作品の持つ魅力に「驚かされている」ともいえます。


彼は、お絵描きブームの期間、持てる全ての力の向きを
「描いた絵でみんなを驚かせたい」という方向に合わせただけなのです。


どんな手順で描いていけば
伝えたい雰囲気を表現できるのか?


どういった形で見せれば
自分の描いた絵で人を驚かすことができるのか?


そのためにはどんなことを練習すればいいのか?


おそらく彼は、「初めて描く」ということすらも
自分の絵で人を驚かせるための演出の一部として
想定していたのかもしれません。




彼が磨いてきたのは、天性のスキルではなく
人を驚かすための最短経路を導き出す力だったのです。


だとすれば、あまり触れたことのない分野でも
あっという間に成果を出せることにも頷けますよね?


これは逆にいえば、どんな分野でも
適切な目的を達成できて、そのための最短経路を導き出すことさえできれば

短期間でも効率良くスキルを高めることは可能である
ということでもあります。


僕はあの時のことを、当時すぐにはうまく噛み砕けず
お絵描き就活に充分に活かすことができませんでしたが


この人を驚かせるという「目的を達成するための最短経路を考える」ことこそ
当時最も反省し、見習うべきことだったことは明らかです。


彼のような人達はただ、周りにいる人を驚かせたくて仕方ないのです。

だから驚かせるという目的を達成するための方法を知っているのです。


そして、驚かせるために必要な要素が分かり
そのレベルにするにはどんなスキルをどれくらい極めればよいかの
力加減すらも何度も実践する中で知っているのです。


それらは結局、人を惹きつける作品や行動を
生み出すことに繋がるのです。


そしてこれは、絵でも、プログラミングでも、どんなことにでも適用できます。


できるだけ短期間で成長したい、
本気で評価される絵を描きたいという人は


自分が今描いている絵の目的をはっきりさせて
そのための最短経路を考え、実践する



ということを意識してみてはいかがでしょうか?






これは、あくまで僕個人の考察ですので
賛否の分かれる内容だと思います。


もし記事の内容に関して感想やご意見などありましたら
どんな些細なことでも構いませんので
是非メールフォームにメッセージをいただけると嬉しいです。


ご返答はお約束できませんが、
全てに目を通させていただいております。

また、参考になりそうなご意見は
今後の記事でご紹介させていただきたいと思いますので
その際はご了承下さい。


著者プロフィール
ふぉくすけ

お絵描き・小説・ゲーム制作など
創作活動が大好きな元SE。

グラフィッカーになる夢を諦め一般企業に
就職するも、多くの理不尽を当然のように
受け入れながら働く「雇われる生き方」
そのものに強い違和感を持つ。

会社員として働きながら生き方の模索を続け、
Web媒体の収入が月給を上回ったため独立。

現在は、お絵描きをはじめとする、
創作活動で食べていきたい人に向けた
情報発信をメインに活動中。

現在キャンペーン期間中にて
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を無料配布中

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