オーバーレイ、スクリーンなどのレイヤーモード考察

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乗算、スクリーン、焼き込み、覆い焼き、オーバーレイなど、
レイヤーモードを使った効果や雰囲気作りをデジ絵講座などでよく目にしますが
具体的に何がどう違うのかを知っている人は少ないようです。


こういったレイヤーモードは、うまく使えば
色や雰囲気の調整が簡単にできて非常に便利ですが

慣れない人にとっては使い方が少し分かりづらく、
出したい雰囲気に対して適切なレイヤーモード、描画色、ブラシを
一から探すのにはとても苦労します。


今回はそういった試行錯誤をなるべく減らし
結果を予測して使えるように

デジ絵でよく使われるレイヤーモードの特徴や
使い方についてまとめてみました。





基本的なレイヤーモード
※以下の画像はSAIでの例ですが、Photoshopなど他のソフトでも
ほぼ同様の名称と機能を持ったレイヤーモードがあります。

 ○通常レイヤー
 全てのレイヤーモードの中で、最も基本となるモードです。
 描画色そのままの色の表現ができ、下のレイヤーの影響を受けず
 レイヤーを重ねても色が変化しません。


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 ○乗算レイヤー
 下のレイヤーに対して描画色の色相が加わり
 結果として彩度が高く、明度が低くなります。

 主な用途:影の彩色など


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 ○スクリーン
 ほぼ乗算の逆の効果を持ちます。

 下のレイヤーに対して描画色の色相が加わり
 重ねた分だけ彩度がより低く、明度がより高くなっていきます。

 主な用途:明るさを追加したい時、光を表現したい時など


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 ○オーバーレイ
 下のレイヤーが明るければ乗算、暗ければスクリーンのような合成を行います。

 乗算やスクリーンよりは明度の変化は控えめである一方、色の変化が強く出ます
 描画色の色相が反映されやすく、環境光などの表現に使いやすいです。

 主な用途:色を反映したいとき、環境光を表現したいときなど


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その他レイヤーモード

 ○覆い焼き系
 スクリーンの明度と彩度への影響をより強くしたものです。

 Photoshopには「覆い焼きカラー」「覆い焼きリニア」
 SAIには明度への影響が最も強い「発光(加算)」があります。

 下図は発光レイヤーの例ですが、描画色が不透明度100%だと白になります
 覆い焼きはこれよりは弱くなります。


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 ○焼き込み系
 乗算の彩度と明度への影響をより強くしたものです。

 Photoshopには「焼き込みカラー」「焼き込みリニア」
 SAIには「陰影」がこの焼き込み系のレイヤーモードにあたります。 


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 ○リニアライト系
 描画レイヤーの色が50%グレーよりも明るければ強めのスクリーン
 暗ければ強めの乗算がかかります。

 オーバーレイは下のレイヤーの明暗で合成処理が変わるのに対して
 こちらは描画色の明暗で効果が変わります。

 Photoshopには「リニアライト」
 SAIには「明暗」がこれにあたります。


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体感的な比較

 ○明るさへの影響
 (効果弱い < 効果強い)

  明るくしたい:オーバーレイ < スクリーン < 覆い焼き系 < 発光(SAI)
  暗くしたい :オーバーレイ < 乗算 < 焼き込み系

  覆い焼きカラー < 覆い焼きリニア
  焼き込みカラー < 焼き込みリニア


 ○色への影響

  スクリーン、覆い焼き < オーバーレイ < リニアライト

  覆い焼きリニア < 覆い焼きカラー
  焼き込みリニア < 焼き込みカラー

 ◯オーバーレイ中心に見る各種レイヤーモードの用途


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基本的な使い方

 色味を付けたい、明るくしたい、雰囲気を足したいときに
 やわらかい(境界があいまいな)ブラシを使って
 選択した色の輝度によって、適切なレイヤーモードを選びます。

 輝度が高めの(見た目が明るい)色は「スクリーン」「乗算」
 輝度が低めの色は「覆い焼き」「焼き込み」「リニアライト」にすると
 合成結果が鮮やかに出やすいです。

 また、効果を強めたいときは
 レイヤーを複製するだけで簡単に強くできます。


Photoshopでの注意
 最近のバージョンのPhotoshopでは、
 初期設定で「透明シェイプレイヤー」というオプションがついており、
 チェックをはずさないと効果が出せないことがあるので注意が必要です。

 「透明シェイプレイヤー」のチェックは「レイヤースタイル」→「レイヤー効果」で開くダイアログで
 「初期設定」欄の「高度な合成」の項目にあります。


関連リンク

 最後に関連リンクをご紹介します。
 レイヤーモードについてもっと詳しく知りたい人や、
 上手な使用例などを知りたい方は是非ご参照下さい。


 ◯レイヤーモードまとめ

  レイヤーモード:Little Wing
今回は、左のような画像のレイヤーに、右のようなレイヤーを重ねて説明してみます。
左のレイヤーは通常モードのまま、右のレイヤーだけ描画モードを変えていきます。 ...



  PhotoShop CS2 - 描画モード - 基本色と合成色と結果色について
バスの画像に単色、透明のグラデーション、白のグラデーション、黒のグラデーションを
描画モードで合成して結果を表示 ...




 ◯使用例

  ・オーバーレイとスクリーンの使い分けの例(180~191)
  絵描く工程を晒していく 3|お絵かき初心者の学習部屋
ちょっと描いてみた 少しでも何かの参考になるといいな ...



  ・乗算、オーバーレイの使用例
  オーバーレイと乗算で仕上げ-SAIイラストメイキング
背景が夕焼けなのでまとまりをつける為に上記のような色を
オーバーレイで50%弱で乗せていきます ...






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この記事へのコメント:

酔月

こんにちは。
レイヤーはいつも当てて結果を見ての試行錯誤でハッキリとした区別がわからずにいました。
とても参考になりました。有難うございます!

ふぉくすけ

感謝のコメントありがとうございます!

>レイヤーはいつも当てて結果を見ての試行錯誤でハッキリとした区別がわからずにいました。
毎回手探りだと大変ですよね。
一度覚えてしまえば、イメージに近い所から試せるので
試行錯誤もしっかり生きてくるはずです。

>とても参考になりました。有難うございます!
参考にしていただいて恐縮です((((;゚Д゚))))
創作活動頑張って下さい!

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